9月5・6日に、日本女子大学総合研究所プロジェクトとして、家政経済学科と被服学科の教員・学生の合同チームが山梨ハタオリ産地に現地調査に行ってきました。家政経済学科からは5名の3年生が参加しました。コロナの影響の中で、ここ数年、大学では宿泊の伴う行事が実施できませんでした。ぜひぜひ参加したくて、事前に義務付けられたPCR検査結果を手が震えながら受け取ったという参加学生たち。そのお一人からの感想をお届けします。
今回私たちは1泊2日のツアーに参加してきました。宿泊学習、他学科との合同チームでのインタビュー調査、また最終日には現地の企業や支援機関の関係者をお迎えしてプレゼンテーションなど、大学へ入学以来、初めての体験ばかりででとても楽しみに参加しました。
1日目は、2チームに分かれ各チームが2社を訪問し、工場を見学させていただきながら、製造工程や自社のこだわりのポイントなどについてのお話を伺いました。ツアーの出発前に学科別におこなっていた事前学習として、「どんなプレゼンにしたいか」「そのためにはどのような質問が必要か」を遅くまで話し合ったこともよい思い出です。授業の中でこれまで学習してきた全ての知識、観点を使い、深い話し合いができていたと思います。
当日のインタビューでは、家政経済学科と被服学科の視点が大きく異なり、お話を伺っていて盛り上がる部分が全然違うことに驚きました。互いに専門性が異なるからこそ、気づく点が異なるのだろうと思いました。
ホテルに戻ってからは、まず夕食前に、グループに分かれて現地での気づきや感想を共有し、話し合う時間を持ちました。その後、豪華な夕食と共に、全体で今日の感想を共有しました。今回のツアー参加の学生は2年生と3年生でしたが、皆、堂々ととてもはっきりと感想を言っていて驚きました。今回のツアーがそれだけ有意義だったというのはもちろん、これまで学んできたことの影響もあるのかなと思いました。
リネンの生産を行なっているテンジン様でのインタビューの様子
2日目は、午前中にさらに3社の工場見学に行き、午後は富士山の見えるホールの中の会議室で「山梨ハタオリ産地の新しい可能性を考える」会を実施しました。
今回、現地調査ツアーに参加してとても印象的だったことの一つは、どの企業様も自社の技術と製品に強い誇りと自信を持っているということです。産地には、最新の機械を使用する企業と、とても古い機械を使用している企業のどちらもあり、皆さん自社の強みを誇りに思いながら、他社の理念や技術もリスペクトしていました。ライバルでもあり地域を盛り上げる仲間でもある、そんな環境が素晴らしいなと思いました。
シャトル織機での織りの工程をていねいにご説明いただきました
午後の会では、私たちのプレゼンテーションを、現地の4人の関係者の方々に聞いていただきました。実際に企業の経営者の方々にプレゼンをする機会が初めてだったので、とても緊張しました。積極的な意見交換が繰り広げられ、終わった後に「外部の若者の意見が聞けてよかった」「こんなにレベルの高い工場見学は初めてだ」ととても褒めていただけたことがとてもうれしく、心の中でドヤ顔(笑)に思わずなったことを覚えています。1泊2日という短い時間の中でも最高のものを作ろうと思える仲間と、富士山の麓のハタオリの町に来られて本当によかったと思いました。
(家政経済学科 3年生)